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確定申告を終え、フリーランス1年目を無事完遂しました

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2018年の確定申告を無事終え、フリーランス1年目を無事完遂しました。

結論から言うと会社を退職した後1年間一度も隙間を空けることなくプロジェクトに参加することができ、契約や金銭的なトラブルは全くありませんでした。結局のところフリーランスも仕事という点では同じなので企業でプロジェクトを利害関係者と協力しながらやり遂げる力があるならそのまま通用します。

しかしながら、個人事業主としてやってみると今まで考える必要がなかったことを自分でやらなければいけないことは沢山ありましたのでその辺を振りかえってみたいと思います。フリーランスになる前の話に興味ある方は1年前に書いた退職エントリを参考にして下さい;)

目次

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フリーランス1年目はなにをやっていたか

東京でWeb系の受託をメインとする開発会社に業務委託契約(準委任)で従事して現在も契約を更新して続いています。

契約・更新はエージェントからサポート

フリーランスの案件を取り扱うエージェントより紹介・サポート頂いて開発業務に従事しています。相談時はSkypeで契約形態・エージェントの仕組みの説明・どういった業務が希望か等30分程打ち合わせして案件を紹介頂き、面談、お互いの契約意思の確認、契約締結までの仲介という感じでした。全部の期間合わせて1週間程度くらいですが実際にメールのやりとりや作業などは1日掛かってないくらいでスムーズに終えられたと思います。

自分の希望は長年やってきたRuby on Railsプロジェクトであること、フルリモートであることと本当にあるのかなと不安でしたが、githubでのプロジェクトなどで実際コード書いてきた等実力を証明出来るようなものがあれば案件自体は引く手あまたというほど多くはないという印象ですが、それでもマッチするところは見つかりそうだという感触でした。

フルリモートでやりとりはGithubとSlackとHangouts Meet

自分は今金沢市に住んでいるので自宅からフルリモートで開発しています。プロジェクトはGithubでプロジェクト管理をして日々のやりとりはSlackで、進捗管理やヒアリングなどでビデオチャットをHangouts Meetで週1日程度でやりとりしています。

Issueベースでの依頼内容だけだと細かい意図が伝わりきらず勘違いしたままになっている危険性はあるので極力対応方針などをコメントで残したり、全部一気に実装してしまわずにある程度動く段階になったら要求に叶った振る舞いになっているかを実際に確認して貰うなどには神経をなるべく使う必要があると感じました。

顧客とのやりとりは開発・インフラ構築行う社員の方がPM・ブリッジを担当

フリーランスになって劇的に変わったのは業務内容で、今まではチームリーダー・アーキテクトな位置付けで契約に関する折衝ごとだとか開発とは直接関係無いような業務が大半を締めてました。現在はうって変わって一日中設計・実装をずっと集中している状態になっています。

これはフリーランスになったから無くなったというわけでは無く、業務委託先の方々がプロダクトについて評価・リリース・インフラ構築・運用を担ってもらえてるので自分はアプリケーションの中身について集中して開発ができているという役割分担の部分が大きいと思います。

社内に開発メンバーがいる自社サービスであったり、もし、クライアントがITリテラシに乏しい状況でもFace to Faceで説明・交渉してくれる人が1人プロジェクトに存在すればエンジニアはどこに居ても問題なく進捗するなという印象です。

Ruby on Rails(Web&API)とReact Nativeでスマホメインのアプリ開発

フリーランスに転向したのはそもそもスキルが陳腐化しないうちにWeb系開発に従事したいからでした。これに関しては想定していたよりも遥かに希望通りにできている印象です。

最初に従事したプロジェクトはスマホで活用する事を重視する旅行関係のサービスなんですが、ポータル的な情報ページ・APIをRails側で提供して、それを活用するのがスマホアプリという位置付けのスタートアップで1年くらいでおおよその想定していた機能を提供して今も保守運用中です。

スマホアプリの開発はReact Nativeで書かれていて、以前Electronをやっていた事もバレてたので「スマホアプリもできるっしょ」って軽いノリで依頼されてスマホ側の方が開発ウェイトが高かったような感じで、最終的には大きめの機能をAPI設計から実装、スマホ側の結合とUI作成までアプリ開発としてはフルスタックといって良いだろうという感じで開発できました。

そのお陰で今まで触れることのなかったReactによる仮想DOMやReduxによるFluxに関する知識を深めることができて今後のWeb開発においても貴重な体験が出来たと感じています。

今後伸ばしたいところ

React NativeやRuby on Railsが触れているのはとても良いことなので特にこの分野を伸ばしていきたいと考えてますが、いままでフルスタックフレームワークの恩恵を受けてなんとなく「ふわっと」開発していたような部分について開発に従事しながら理解を深めていきたいと思います。

具体的には、ActiveRecordでなんとなくDBにアクセスできていたけどもっと最適化されたSQLになるような書き方が出来ているのかとか、Dockerをちゃんと有効活用できるようにしたいとか、逆にフロントエンド側も今更ながらbootstrapちゃんと理解しようとかReactやVueに置き換えたら幸せになれるのかとかその辺を研究してみたいと考えてます。

 

仕事を取ることについて〜契約から帳簿付けまで〜

フリーランスを始めるのにあたって一番心配していたのは、仕事をどうやって受注して、契約して、請求して、勘定するかってことでした。契約に関してはまだ1度の締結と2度の更新しかしていないのでもう少し場数を踏みたいところです。

受注〜契約

仕事をどうやって取るかですが、直接営業をかける、クラウドソーシング、エージェント(仲介・直接)を利用するなどが考えられましたが、クラウドソーシングは案件が単発のものが多くてさらに金額的にあまり良い条件で結べそうなものがみつけにくく、エージェントに契約から日々の請求まで仲介してもらうタイプのものは中間マージンもいくら抜かれているかイマイチはっきりせず派遣となんら変わらないということで却下、直接営業はWantedlyでいくつか話して面談もしてフルリモートでも契約できそうなものもありましたが最初ということもあったので最終的にはエージェントに紹介してもらって契約自体は直接クライアントと結ぶ形態の案件に決めました。

エージェントに関しては本来の業務じゃ無い営業から条件面の代理交渉、契約締結・更新などで仲介していただいてとてもやりやすいスタイルだと感じており、サービス利用でコストはかかりますが、2018年末にあった2度目の契約更新時に単価増額の交渉を代理で行ってもらいましたがスムーズに交渉成立もしてとてもやりやすさと安心を得られました。営業面はしっかりコストかけてでも間に入ってもらう価値があると思います。

請求〜会計

請求はmisocaでメール発行、会計ソフトはfreeeで行っていて紙が出るのはレシートくらいだったのでその辺はやりやすかったです。最初は源泉徴収ってエンジニアってあるんだっけ?(ありません)とか、複式簿記ってなんだよ結局どうやって記帳しとけば良いんだよとか、固定資産とかあるんだっけ?(個人事業主なので30万円未満のものは少額減価償却で1年で経費にできる)とか今まで一度も考えたことが無いことが大量にありました。でも、丸一年コツコツせっせと付けていたらなんとなく分かりました。

 

確定申告に至るまでのお金まわりのはなし

何も対策しないと大量の税金がやってくる~経費・小規模企業共済~

仮にもしなにも考えず複式簿記が意味分かんないから白色申告でいいやとして申請したとすると、所得から課税対象から差し引かれる控除額がほとんど無くなるので、そうなると所得税(約15%)・住民税(10%)・国民健康保険(金沢市は約13%)がストレートにかかってきて、得た利益の約4割が持って行かれることになります。。これに加えて個人事業税(大体の法定対象業種は5%)を持って行かれようものなら半分近くもっていかれるのかよっとなってしまって働く意欲失われてしましまいますよね。。ちなみに、個人事業税はまだ対象から外れることができるかは未確定です。自分の様な準委任契約で特定企業から業務指示受けて開発している様な形態は「事業性が無い」として対象外になる事が多いみたいですが恐らく県から5月あたりに回答依頼の手紙が来るのかなと思います。

話は戻り、こうならないようには節税する必要があります。以下の様なことをやりました。

  • 開業届と同時に複式帳簿による青色申告届出を行って65万円の青色申告特別控除を受けました。
  • 経費となるものは漏れなく帳簿に記帳する。生産性の上がると思われるものは迷わず購入する。自分は高額なものとしてはMBP、ディスプレイ3台、モバイル開発実機としてiPad Proを新規購入しました。あとは家賃や電気代などを家事按分、AWSやVPS、開発ソフト等のクラウド・サービス関連を漏れなく計上して150万円程度を計上しました。
  • 小規模企業共済を上限84万円を掛け金としてかける。これは会社でいうところの退職金制度みたいなもので所得税・住民税で全額控除できて、廃業して受け取るときは退職所得として分離課税できるので申し込みました。

これらを合わせることで、自分の場合は400万円程度が控除されて100万円以上の節税ができたということになります。きちんとやれば、税優遇されているといわれる給与所得控除ともそれ程格差というほどでも無いなというところまでコントロールできるのでは無いかと思います。

2019年からは去年と違って収入も増えて1月からフルで働いているのでさらに検討しないと怖くて眠れなくなりそうです。追加で

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入して控除額を更に増やす。個人事業主は月額68,000円までと限度額が高額なので、収入状況を見て掛金を調整する。
  • 国民年金の付加年金(月400円)に加入して老齢基礎年金の給付額を増やす

を対策しました。これ以上は法人成りしか対策ないのですがもうしばらくは現状維持で様子を見てみたいと思います。

確定申告はfreeeでエクスポートしてe-taxで送信

確定申告は2月18日(月)の申告受付開始即時とおもってe-taxで申告しましたが・・・電子申告は1月4日からできるということを知らなかったです。来年は必要書類が揃い次第申告したいと思います。

申告の方法は帳簿を付けてさえいればfreeeで殆どの項目が作成されて社会保険料控除等の追加入力をすれば申請できる申告書が出力や送信できる状態までサクッと出来ました。freeeからならWin/Mac両方から電子申告できるというメリットがあるのですが、去年はロボアドバイザーに少し投資してみて配当金が出ていたので外国税額控除を申請してみようとしたところ、残念ながらe-taxでしか電子申告できないということが発覚して、外国税額控除の書類以外はfreeeで作成したe-tax用にエクスポートして、外国税額控除は確定申告書等作成コーナーでfreeeの申告データをコピペして外国税額控除書類を出力し、そのデータをe-taxに転記しました。

e-taxのUIはパルプンテみたいな感じでしたが税務署側の手間を省きたいという気持ちが溢れんばかりのレシートとか取引報告書などの第三者作成証明書等の提出書類は全て提出省略可能というエレガントな法律のもと、(確定申告のためには)一度も税務署に行くことも無く無事確定申告を終えることができました。来年はfreeeでの申告でできれば完結させたいところです。

 

1年間フリーランスをやってみて

フリーランスという働き方は人を選ぶがあり

フリーランスになっていつ働くかみたいなものは無くなったので、やろうと思えば昼夜逆転でも働けてしまえます。でもそういうことをすると体調崩れたりするので、9:00~18:00を自分的標準時間と定めて、多少上下はしますが大体その枠で仕事をしています。昼に図書館行ったり病院行ったり床屋行ったりとか時間に縛られず長めの外出したりできるので、とても生活しやすいものになりました。

フルリモートでの業務は徒歩0分でPCの電源を入れれば開発開始できるので、睡眠時間も確保しやすくて良い環境です。但し、意識して運動しないと運動不足がとんでもないことになります。定期的に無理にでも体を動かす必要がありそうです。宇宙飛行士の船内トレーニングみたいなイメージ・・・ですかねw

フリーランスという働き方は究極の「専門職」なんじゃないかと個人的には感じています。本当に余計な仕事が無くなって1日中ずっと開発をしています。なので物凄く時間が長く感じて行き詰まったりしたときなんかは本当に気が休まる暇が無く精神的苦痛に感じることもあるかもしれないです。自分なりの気分の紛らわし方、モチベーションのコントロールの仕方などを工夫していく必要があるのでは無いかと思います。

これから企業はますます人材不足になっていきますが、その一方で高度な専門性を要する仕事も増えていきます。日本は文系の大卒からエンジニアになれたり、今まで営業だったのに社内配置転換で畑違いの開発職についたりなど端から見ると面白いんですがとても効率的とは思えない構造改革が行われています。それでは急速に進化する業界に置いて行かれるばかりだと思います。

企業が現状のメンバーシップ型雇用の形態に加えてジョブ型雇用の仕組みを導入してくれれば、プロフェッショナル人材がフリーランスのような専門性を発揮できる場を提供しながらも企業の社会保障の枠組みの中で安心して働けるWinWinな関係も築けそうなので是非進めていって欲しいです。そういう仕組みが整備されていれば、いまフリーランスにはなって無かったかもしれませんね。職務経歴書だと時系列、実績ベースになりがちなので、自分がどういったスキルを持っているか、どういうことができるかを簡潔に答えられるように折をみて自分なりの「ジョブディスクリプション」をまとめられる時間を今後つくってみたいと思います。

独立はしているが起業とは違う

実際フリーランスになりましたが、業務委託契約で働いている分では時間的・環境的な自由はありますがやってることは会社員と全く変わんないと思います。考え方・方向性によって結構人によってフリーランスの位置づけは変わりそうです。

働き方を自分の好きなようにしたいとか、ガッツリ稼ごうとか、起業するために自己資金を集めたり半分は個人の事業に取り組むだとか色々あると思います。自分としてはWeb系開発スキルを最適化してしっかり収益をだしつつ起業などは当分考えずどこかのプロジェクトで技術貢献できればそれで満足だと考えています。

どういう事情があろうと一人でやりきる力が求められる

巷のブログでは「未経験でもフリーランスになれる!」とか軽い感じで書かれているものがあったりします。まあ多分実際は間違って無くてクライアント側が「じゃあ任せてみようかな」と思えば未経験でも受注出来たりします。

クライアントとしては依頼したものを約束通り納品して欲しくて依頼しているのでその人のスキルとかはどうでも良く、成果物が期待したものかどうかで評価します。期待通りのもの、または期待以上のものなら満足してまた今度もこの人に頼もうと思うでしょう。

フリーランスは仕事や収入が不安定なんじゃないかと心配している人も多そうですが、ちゃんとした成果物が出せれば大抵のクライアントは沢山の業務を抱えているでしょうから再度新しい案件を依頼してくれるでしょうし、そうやって成果を積み重ねていけば信頼は増していって希望の条件が結構あっさり通るようにもなると思います。

逆に言えば期待通りのものが提供出来なければそこで関係は終了なので、自分にどういうスキルがあるとかそういうことは関係無しに与えられた依頼を何としてでも一人でやりきるという意思と力が必要になります。

スキル面以外でも、病気などで休んでしまうと有給休暇などというものもあるわけが無いので直接収入に影響していきます。案外健康管理が一番重要になってくるのかもしれません。。

当分はフリーランスで続けていきます

収入・業務内容・働き方いずれも現状で不満はないので仕事を受けられる限り当分の間はフリーランスを続けていきたいと思います。

未だに心配なのは健康管理ですが、体調はそこそこ良くて去年は風邪も引くことも無く体調不良のような当日連絡で休む様なことは無く皆勤することができました。

運動不足はやばくて去年8kmのマラソンよりは起伏のあるクロスカントリーに参加したんですが本当にこれ以上体が前に進まないという感覚を体験しました。。

今年は運動不足も解消する為に運動日みたいなものを計画的にスケジューリングする等で更により良いスパイラルアップが起きるようにしたいものです:)

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